カチッサー理論|どんな理由だろうとYesと言ってしまう心理学

POINT

理由を意識しよう。

カチッサー理論とは

他人にある働きかけをすると、他人が自動的に反応する心理現象のこと。

カチッサーの語源は、テープレコーダーの再生ボタンを押したときの「カチッ」再生された際の「サー」からきています。

カチッサー理論を利用した「おれおれ詐欺」

おれおれ詐欺とは、高齢者に「おれだよ」と電話をかけて、身内だと勘違いさせてお金を振り込ませる詐欺です。

高齢者「はい、もしもし」

詐欺師「もしもし、おれだけど」

高齢者「誰だって?」

詐欺師「いやだからおれだって」

高齢者「(孫のかいぱぱだね、きっと)あー、かいぱぱだね。どうした?」

詐欺師「そうそう、かいぱぱだよ。ちょっと悪いんだけどさ・・・」

みたいな手口でお金をだまし取ろうとする詐欺。

おれおれ、と馴れ馴れしく電話をかけてくる人「カチッ」

自分の知ってる近しい人に違いない「サー」

今までの学習で得た経験から自動的に判断してしまう。

ある働きかけで、自動的に反応する心理現象。それがカチッサー理論。

カチッサー理論の心理学的実験

アメリカの心理学者エレン・ランガ―の実験。

言い方で承諾率は変わるのか?ということを調べた実験です。

コピーを先に取らせてほしいと、お願いをしました。

そのとき、次の3通りの言い方で、お願いしました。

  • Aパターン「先にコピーをとらせてもらえませんか?」
  • Bパターン「急いでいるので、先にコピーをとらせてもらえませんか?」
  • Cパターン「コピーをとらないといけないので、先にコピーをとらせてもらえませんか?」

結果、順番を譲ってくれたパーセンテージは以下のようになりました。

  • Aパターン:60%
  • Bパターン:94%
  • Cパターン:93%

理由がある、なしで承諾率が変わるのは、なんとなくわかりますよね。

なら理由の内容は?

Bパターンは「急いでいる」。

緊急事態なんだな。時間がないんだな。今すぐにコピーしないと困ったことになるんだな。

なんとなく納得できます。

ならCパターンは?「コピーとらないといけないので」。

納得できますか?

理由として成立しますか?

これがコピーの順番の話じゃなくて、ディズニーランドのアトラクションの順番待ちの話だとしたら?

かいぱぱ「アトラクション、先に乗らせてください」

他人「なんで?」

かいぱぱ「アトラクションを乗らなければいけないので」

他人「おれもだよ。てかみんなだよ。だから並んでるんだよ」

かいぱぱ「そこをどうか。アトラクションを乗らなければいけないんです」

他人「だから、なんでアトラクション乗らないといけないの?理由は?」

「アトラクションをとらなければいけないので」って理由になってないですよね。

この実験でわかったこと

  • その①:理由があるだけで人はお願いを聞いてしまう
  • その②:理由の内容は気にしない

カチッサー理論のまとめ

ただ、不思議じゃないですか?

コピー機は「コピーをとらなければいけないので」で譲るのに対して、ディズニーランドのアトラクションは「アトラクションを乗らなければならないので」では譲らないことを。

そうなんです。

軽めのお願いかどうかなんです。

「軽めのお願い」の場合は、理屈としておかしな理由や関係のない理由、つまりこじつけでも、承諾されやすいんです。

軽めのお願いの場合、

理由があるお願い「カチッ」

OK「サー」

となります。

じゃあ、難しいお願いは聞いてもらえないの?ってことになりそうですが、納得できるしっかりした理由があれば聞いてもらえます。

軽いお願いに限っては、理由の中身は関係ないって話です。

いずれにしても、理由があるほうが、Yesと言ってもらえるので、お願いをするときは、理由を意識してお願いしましょう。

~P.S~

お願いするなら、食事中のほうが聞き入れてもらいやすい。

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