怒っちゃダメ。
人を育てるときに怒ったり叱ったりしても効果がない3つの根拠

怒ってもあんまり意味はない。
人を育てたいなら怒ったり叱ったりしても、効果がない。
なんでかっていうと、根拠は3つあって。
ひとつは、イヤだと思うと向上心がなくなるから。
ふたつめは、期待されたほうが伸びるから。
みっつめは、「怒ったほうが上達する」と錯覚する理由。
いい?
もう一回繰り返すよ。
- 向上心がなくなる
- 期待すると伸びる
- 錯覚
この3つ。
この3つの理由で、人を育てるときに怒っても意味ないって話。
イヤだと思うと、向上心がなくなる

怒られるのがイヤだと思うと向上心がなくなる。
というのは、怒られるというのは、避けたいこと。
避けるためには、動かなければいい。
動かなければ怒られることもなくなり、それが向上心の低下につながります。
昔から言われてる「アメとムチ」って本当に効果があるのってことを確かめるためにネズミを使った電気ショックの実験の話があります。
左に進むとエサ。
右に進むと電気ショック。
ネズミの動きを観察した実験。
エサが「アメ」で、電気ショックが「ムチ」。
結果は、「アメとムチ」は効果あり。
ただし、電気ショックが強すぎるとネズミは最初の位置から動かなくなった。
っていう実験。
「ムチ」が怖すぎると挑戦することも学習することもやらなくなる。
ってことがわかった実験。
とはいえ、怒られたほうが身が引き締まってモチベーションが上がるっていう人もいます。
確かにそれもそうなんだけど、動物の習性から見ると、キケンなときって動かないです。
恐怖とか不快な思いを感じる「説教」には、意味がないです。
期待したほうが成長する話

ピグマリオン効果っていう「信じればかなう」効果があります。
ちょっと夢物語みたいな効果だけど、実際に効果があります。
というのは、信じた人は達成できるように行動するから。
このピグマリオン効果は、実験で証明されています。
ドイツ出身の心理学者ロバート・ローゼンタールの「教師と生徒」の実験です。
教師に「この生徒は優秀です」と伝えて教師に「この生徒は優秀なんだ」と信じさせます。
すると教師は「この生徒は優秀だ」と信じているから、ほかの生徒より高度なことに挑戦させたり、授業中に指名する回数が多くなったりと、学習効果がでやすい環境を作り出していたということです。
「できる」と期待した先生が積極的にサポートしていたわけです。
一方「できる子だ」と先生から励まされ、学習環境を整えられたことで、生徒側も意欲的になり人一倍頑張ろうとします。この相乗効果で優秀な成績が現実となった。
という実験。
信じた人は積極的に行動する。
信じられた人も、それを信じて行動するようになる。
という話。
「おまえなんかができるわけないじゃん」と言われるより「おまえならできるって」と言われたほうがモチベーションが上がります。
人を育てるなら信じて期待することが大切。
「怒ったほうが上達する」という錯覚を起こす理由
「人を育てるとき怒ったほうが上達する」というのは、ただの錯覚です。
人は確率が苦手だから。
あのノーベル経済学賞を受賞したことで有名なダニエル・カーネマンが、教官に言ったことです。
訓練生の操縦を誉めたときは次回に下手になって、叱ったら上手くなる。これは正しい。
というのは出来、不出来がランダムに変動しただけ。
教官が訓練生を誉めるのは、平均をかなり上回る腕前を見せたときだけ。
だけど、訓練生は、たぶんそのときたまたまうまく操縦できただけだから、教官に誉められようがどうしようが、次には上手くいかない可能性が高い。
同様に、教官が訓練生を怒鳴りつけるのは、平均を大幅に下回るほど不出来だったときだけである。
したがって、教官がなにもしなくても、次は多かれ少なかれマシになる可能性が高い。
つまり、確率的に「上手くできた次は上手くできない」「上手くできなかった次は上手くできる」っていうこと。
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